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ハタノワタルの和紙

ハタノワタルは、和紙の産地である京都府綾部市で紙漉を行っている。ハタノは、美術大学で油画を専攻していたとき、絵画の支持体として、和紙に出会う。ハタノに和紙の魅力を聞いた時、一番に出てきた言葉は、その美しさではなく、その丈夫さであった。

和紙は日本文化に深く根付いた素材である。紙と聞くと、薄くて脆い印象を持つが、日本人は昔から襖や障子、屏風など、また提灯や和傘など、和紙に油を塗って屋外でも用いるなど、耐久性のある素材として使用してきた。軽いにも関わらず、破れにくく、しなやかで水にも強い、という特徴は、和紙の原料である楮の繊維の長さに由来する。また保存性も非常に優れており、正倉院(東大寺の財宝庫)には今から1000年以上前に使われた紙が残されており、その寿命がいかに優れているかを示す事例だ。

和紙がいかに日本の風土、生活に溶け込んだ素材かを理解した上で、現代の利便性に溢れた生活に、大量生産大量消費の時代にハタノは不安を抱える。

「このままでは暮らしていく場所が自分たちの作ったモノで押しつぶされていくのではないか?」

ハタノの工房は周りが山や田畑に囲まれた京都府綾部市の農村地域にある。ハタノがこの地に居を移したのが25年前。

「ここに住む人たちは世代を超えて何百年もここで暮らしてきたのだと思うと 持続可能な暮らしについて考えるようになった。そのうちずっと続いてきたものをただ続ける仕事をしたいと思うようになってきた。伝統的なモノが暮らしの中で息づいているのを見て、とても羨ましく思った。」

ハタノは和紙の原料である楮を自身の畑で育てるところから行い、和紙を漉く。その和紙を建築空間やプロダクト、そして美術作品として昇華させる。漉いた和紙を染めたり、重ねたり、張り合わせたり。和紙の新たな表現を模索し、可能性を拡張し、一方で愚直に和紙を作り続ける環境づくりに取り組み、循環させる。

和紙を鮮やかな色にも深淵の色にも染め、和紙の表情、質感を活かしてつくられるプロダクトは、内装空間に使用される時の光を内包する和紙の柔らかな美しさとはまた別の魅力を感じる。それは丈夫で強く、耐久性を持ちながら、和紙という素材でできている不思議な存在感をもつ。

Hatano Wataru's Washi works

ハタノワタルの和紙

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